日経ビジネス09年7月6日号 時流超流 より
【概要】
mixiは、売上高の9割を広告収入に依存している。景気が悪化すると、広告が落ち込む。そのため、景気が悪いとmixiの売上高や株価にダイレクトに影響してしまう。実際、mixiの株価が乱高下しているという。現状では、将来への不安は大きい。
大和総研のアナリストは、こう指摘する。「いまのmixiは会員が約1700万人も抱えているにもかかわらず、広告以外の収入を生み出せていない。だが、新たな鉱脈を掘り起こす“施策”が見え始めた。」
その鉱脈とは“鉱脈”とは、「mixiアプリ」のことである。mixiは昨年、技術使用を公開し、企業や個人が、mixi上で動くゲームなどを開発できるようにした。このmixiアプリによって、広告以外に「ユーザー課金」を収益源にできる。ちなみに国内SNSのグリーでは、売上の約6割がゲームにあり、世界最大手の米フェースブックでも、ゲームに人気が集中しているそうだ。mixiもこの流れに乗る形だ。
【私見】
なぜmixiはこれまで、こういったことをしなかったのか?当然、グリーやフェースブックの動きは知っていたはずだ。 グリーやフェースブックよりも優れたシステムを作ろうと、時間がかかったのだろうか?それとも、まずはとにかく会員を増やそうと考えていたのか。急成長するあまり、社内でのマンパワーが足りずに一歩踏み出せなかったのか?
私は、「まずは会員獲得」のためだと思う。ベンチャー企業のため、経営資源が限られ、あれもこれも手を出すのは難しいと思う。市場が導入期にあった初期の携帯電話ビジネスが「とにかく0円端末ばらまいて、後から料金とってきます」の戦略をとっていたように、mixiも、目の前の収益よりも将来のことを考えて、まずは会員獲得に経営資源を集中させていたのではないかと思う。そして国内シェアNo.1を確立してから新たな収益源開発に手を出し始めたんだと思う。