ワタミ弁当全国展開!

日経新聞11月3日より

こんにちは。
「文化の日」の今日は、夕方16時からNHKで全日本剣道選手権がやっているので、見るのを楽しみにしています♪

記事は、外食チェーンワタミの新規事業と成長エンジンについてです。

【概要】
・ワタミは、一部の地域で行っていた高齢者向け弁当の宅配事業を強化する。
・2013年までに沖縄と除いた全国に広げる予定。
・同社の弁当は、高齢者の利用が多い低カロイリータイプで、外食、介護に次ぐ主力事業に育てる。
・この弁当事業は、もともと高齢者向けの弁当宅配を行っていた「タクショク」という会社を買収したものである。
・ワタミの主力事業の「外食」と「介護」との関連が深いため、成長が期待できる。

【解釈】
この弁当事業はM&Aによって得た事業だが、買収するときから、同社の主力ビジネスに育てることも視野に入れていたのだろう。

買収後最初の頃は、本当に儲かるのか様子を見るため、一部地域でやっていたのだろう。それで1年経ってみて「これはいい感じだ!」と手ごたえをつかんだため「それでは計画通り全国展開にチャレンジしよう!」となったのだと私は思う。

ワタミの主力ビジネスは「わたみんち」「座・わたみ」などの外食事業であるが、ワタミ社長によれば「経済情勢の厳しさなどから、外食事業はあまり伸びない」らしい。

そこで、新たな成長エンジンが欲しいところ。幸いワタミは以前から介護にも取り組んでいて、それなりに規模も拡大してきているのだろうから、これが数年後の主力ビジネスとなるのだろう。

それに加えて成長エンジンにさせたいのが、今回の高齢者向け弁当宅配事業だろう。高齢化の進行という追い風もあるし、ワタミの外食事業からの「食ビジネスへの理解」と、介護事業からの「高齢者向けビジネスへの理解」という強みを活かせば、面白いビジネスに育ちそうである。

ワタミは他にも色々事業を行っているが、主力である「外食」「介護」と今回の「弁当」の3つの事業を、経営戦略のフレームワーク「PPM」を使って整理してみた。(PPMについては下の【お勉強】参照)

watami PPM

・「外食」事業は、儲かってはいるが、もう頭打ちでそんなに成長しなさそうなので(花形事業)から(金のなる木)へ移るあたりにした。
・「介護」事業は成長率が高いのでかなり上のほうにある。どれだけ利益が出てるのかわからなかったので(花形)ではなく(問題児)に入れてみたが、うまく花形事業に入って行ってると思う。(もっと左側に書くべきだったかな・・・)
・「弁当」事業は、シェアも認知度も低く、これから全国展開に挑むためにたくさんコスト掛けて育てるため(問題児)である。そしていづれは(花形事業)へと持っていきたいところ。

整理してみて思ったことは、全社戦略のバランスがいいということである。

外食事業で儲けたお金で、他の成長事業(=ワタミ成長のための成長エンジン)を育てていくという流れがうまくできていそうだ。まあそうといっても、限られた情報で単純な推測なので、そんなにきれいな話ではないだろうが。

どちらにしても、この弁当がうまくいけば、ワタミはより加速的な成長ができるだろう。なぜなら、もしうまくいかなくても介護事業があるのである程度成長はできると思うからだ。

ワタミが、どのように「食ビジネスへの理解」と「高齢者ビジネスへの理解」という強みを生かしていくかに期待したい。

【お勉強】
PPM
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略。会社が複数の事業を行っているときに、各事業を「資金を生み出す事業」と「まだ投資が必要な事業」に2分し、各事業に対する経営資源の配分を決めるためのツール。フレームワーク。

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