サントリーが、またM&Aして欧州へ

日経新聞11月14日より

こんにちは、askyouです。
今回は規模の大きな話です。
オレンジジュースが飲みたくなってきました。

【概要】

   オレンジーナ

・サントリーは、フランスの大手飲料メーカー、オレンジーナ・シュウェップスを買収したと発表した。
・オレンジーナは、「オレンジ-ナ」「シュウェップス」などブランド力の高い清涼飲料を世界60カ国で販売している。「オレンジーナ」は仏ではコカ・コーラをしのぐ国民的非アルコール飲料。
・これまで清涼飲料事業で事実上の空白地域であった欧州での足がかりを築く。
・両社は国内外で販売網の相互活用を計画、互いの商品を世界で拡販する。
・欧州市場は、サントリーとの経営統合を進めているキリンも強固な事業拠点を持っておらず、キリンとの統合が実現すれば、さらにメリットは大きくなる。

【解釈】
今回の買収額は約3000億円で、国内食品メーカーのM&Aでは過去最大規模だそうである。サントリーは、キリンとの経営統合を進めているという話も有名で、その狙いは「国内市場で圧倒的1位を確保し、世界市場にターゲット顧客を拡大することでさらなる成長を目指す」と考えられる。

そして今回のオレンジーナを含め、過去4年間に5つの海外企業を買収していると記事に書いてあったが、それらはすべて、世界進出に向けた海外拠点を確保するためだと考えられる。

海外企業をM&Aするメリットは、日本とは全く異なる環境である現地の販売網や魅力的な商品、社会的信用、その他諸々長年培ってきたものを一挙に手に入れ、両社資源や強みを活かして相乗効果を発揮することである。

「サントリーがガンガンいくぞ!またM&Aしてすごいことやってるぞ!」という活発そうな話題ばかりがクローズアップされているが、当然その中には以下のような不安要素もあると思う。  

M&Aは、お金を出せば、多くの経営資源を一挙に手に入れられるものの、M&A後に、2つの企業が「うまく融合していく」ということは実はかなり難しいことだと、私の尊敬する経営コンサルタントから聞いたことがある。

つまり、戦略上の話ではなく、組織的な話である。どんなにいい戦略であっても、2つの会社の社員や組織文化がなじまなければ、融合はうまくいかず、思うようにM&Aの相乗効果も得られない。ゴタゴタしてしまう。

サントリーは海外進出に向けて、多くのM&Aに踏み出し、これからもまだまだ大金をかけてM&Aで海外他社を吸収していくと思う。しかし、そのたびに「うまく組織同士が融合するには?」という視点は必要不可欠である。

おそらく、もちろんサントリーはこんなことは承知の上だろう。
M&Aの際の組織の融合を専門にコンサルティングする会社もあるらしいが、それらをどの程度活用するのか、知りたいところだ。

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