主旨
富士山の入山料について話し合う“富士山利用者負担専門委員会”が都内で開催された。結論としては、入山料の徴収方式は税などの強制徴収ではなく、任意に支払う方式で一致。
徴収対象や金額、使い道等も話し合ったものの結論が出ず、11月の次回の委員会に持ち越しとなった。
また、入山料の徴収対象は、登山者にとどまらず、広く寄付を募るべきという意見も多数出たという。
So What?
実は既に入山料の徴収は今夏、試験的に行われている。
それが上記写真である。
世界遺産登録が決まった富士山では、今年の7月25日~8月3日までの期間、試験的に保全協力金として登山者から入山料を任意で集めた。「1人:基本千円」との看板を出し、支払うと記念バッチがもらえる。結果は約34000人から約3400万円が集められた。
話題性もあったのか見込みの2万人を大きく超え、かなりの額が集まっている。このように、神社のさい銭箱のように完全な任意額ではなく「1人原則1000円」等とある程度金額を指定し記念になるような物品を配布することで、大きく成果に結び付きそうだ。
ただ、この試験徴収のように入山料集めの仕方を何通りも試験しながら進めればいいと思う。その際、入山料と引き換えになる物品も定期的に変えれば、それを1つの目当てとして楽しみにしながら定期的に登山する人も現れ、単なる「入山料」ではなく魅力のある文化としての仕組みになるのではないだろうか。
年月日のスタンプが押された記念の紙であったり、下山後に何か食べ物と引き変えられる引換券なんかも、富士山を最後まで楽しむことに役立つだろうと思う。学者同士の話し合いだけで決めず、こういったアイデアを公募で集めれば、より一層自然な形で入山料を支払うシステムができるのではないかと思う。