今日のTOPIC
ブラジル北部アマゾン川流域の小さな集落でIT化が進んでおり、ネットを通じた教育や遠隔医療で効果が表れてきている。
スルアカは120家族約500人が住む小さな集落。2011年3月にインターネットが整備された。環境が整備された背景には、通信大手のエリクソンや、テレフォニカといった大企業によるCSR(企業の社会的責任)活動と、現地の生活環境改善に尽力するNGOとの協力がある。
小学校では子供たちが必死に画面を覗き込んでおり、ある子は「数学のゲームをするのが楽しい」と言う。先生は「生徒の登校率が格段に上がった」とし、自らも空き時間にネットから教材を探して活用しているという。
NGOは住民の健康状態を医師が検査しに行く「医療船」を従来から定期的に派遣していたが、ネットがつながるようになってからは、ネットを通じて専門家の意見を聞いて活かすこともできるようになった。
集落の生活が豊かになっている反面「ネット内にあふれる豊かな生活や刺激を受けて、子供たちの眼が都会に向いてしまう」という声もあり、課題となっている。
So What?
CSR活動の一環として実現した通信環境整備と、その後の実際の生活改善事例。
ネット環境を新たに整備した集落で、生活が豊かになる反面、若者の都会流出が懸念されるという課題も抱えている。
その課題を解決する上で、現地の先生がネットを通じた教育をする上で、同時に地元(集落)の良さ、何が素晴らしいのかということを教える必要があると思う。
ネット上から外の世界を見れば、何もかもが外の世界の方が良く見えてきてしまいそうだが、外の世界にも良い部分悪い部分があり、この集落にも良い部分悪い部分があるということをフラットに教え、ネットの向こう側の世界に対して多大な期待を持たせすぎないことが重要ではないかと思う。
そのためには、まず何よりも教師自身がネットを使いながら都会と集落との比較や特徴を理解し「都会はやっぱり凄い」といった上を見る態度ではなく、“集落愛”のようなものを自信を持って子供に語れるようになることが重要ではないだろうか。