“非リア充”達が生み出すビジネスの「ヒットの方程式」

日経新聞2012年11月26日


今日のTOPIC

『新時代のヒットの方程式』

ネットの普及がヒットの作り方を変えている。
例えば日本の芸人が作成したパラパラマンガをイギリスの人気ロックバンドが公式ビデオに採用したり、韓国人歌手の楽曲が通常のプロモーションもなく10カ国のチャートで1位を獲得するなど、ネットを介して影響が瞬時に広がる例が次々と出ている。

エイベックスグループホールディングス社長室部長の若泉氏は「テレビの人気ドラマに採用されればCDは売れる時代は終わった」と話す。従来20人いたスカウト部隊の大半をネットでの新規発掘に充て、動画共有サイト等を巡っているという。
プロ音楽家の坂本龍一氏も、無料ネット配信では有望な若手アーティストが育たないと痛感し、視聴者が自発的に支払う仕組作りに関わっているという。
専門家も手探り状態ということだ。

So What?
従来は有望新人の存在もリアル世界に求め、全てリアルでのビジネス活動がベースだったが、ネット世界をくぐらせながらリアル人材を探すという流れに重きが置かれるようになった。
記事にもある通り、ネットの力によって誰も想像しなかったルートで、誰も想像しなかったアーティストが生まれるサクセスストーリーは良く聞く話である。
それだけネットはリアル世界の“制限”を外し、宝の発掘を促進している。

そのためには、ネット世界(バーチャル空間、コミュニティー等)特有の文化や立ち回り方を理解することは重要だと私は思う。

私も以前、学生の頃にニコニコ動画やニコニコ生放送を毎晩深夜まで見て楽しんでいた時期があった(寝不足になりながら・・)。そこにはいわゆる「非リア充」な人達、主にフリーターや学生等が多くおり、バーチャル空間にも関わらず妙な一体感や人間関係、空気のようなものが感じられ、興味深く面白かった。まず体験したことのない人にとっては信じられない話だと思うが、ネット世界の文化を理解する上で、こういった独特の空気感を知っておくことも、役立つのではないだろうか。

あまり表には出ない話だが、インターネットやパソコンの技術が急速に進化した裏には、アダルト関連のデータ通信を願う男たちの静かなる欲求が1つの強力な原動力になっていたと聞く。

同じように、毎晩フリーターや学生達が熱心にwebサービスを利用することで築かれてきた“何か”が(現に政治には良く活用されている)、ネットを介した精度の高い『ヒットの方程式』を作り上げビジネスに大きく貢献していくのかもしれない。

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