今日のTOPIC
即席袋めん市場が活気づいている。
カップめんの広がりに押されて即席袋めん市場は縮小し続けていたが、生めんに近い触感を出した東洋水産の「マルちゃん正麺」が高めの価格にも関わらずヒットし、即席袋めんの市場規模が5年前の水準まで戻りそうだ。
ヒットの理由は、これまでにない食感を生んだことだ。
即席めんは、「蒸した麺を油で揚げる」又は「蒸した麺を上げずに乾かす」製法で作られ5食入り約200~250円だが、
正麺は、「蒸さずに乾燥」させて生めんのような仕上がりとしており、5食入り約500円。
東洋水産社長によると「食にこだわりを持つ中年以上の人が購入している」とのことである。
日本総研の小方尚子主任研究員は「消費者は全体として価格志向だが、価値に見合った価格なら受け入れる人も多い。内食志向が重なり、食品や日用品で小さな贅沢商品が増えている」という。
ライバル各社も「マルちゃん正麺」のヒットに続いて同様の製品を売り出している。
So What?
この記事の社長のコメント「食にこだわりを持つ中年以上が購入」を見て、私自身の即席袋めんに対する印象・先入観に気付くこととなった。
良く学生時代に時間とお金の節約の為に時々5食200円くらいの即席袋めんを買い、何も具を足さずに茹でてすぐ食べるという、どんぶりを出してから洗ってしまうまでが5分、といった食べ方をしていたことがある。
そのため、即席袋めんは「味はあまり期待できない安いもの」とチープでネガティブなイメージを持っていた。
しかし、「こだわりを持つ中年・・・」と見て、自身の子供時代に母親が袋めんをゆで、同時にゆでた野菜を盛りつけ、漬物とともに立派な食事としてだし、家族みんなで食べていたことを思い出す。それはもちろんチープな空気などなく、いつもとなんら変わらない食事の風景である。
このマルちゃん正麺を購入する「こだわりをもつ中年」というのも、おそらく学生感覚でただ安いものを求める消費者ではなく、「それなりに安くできる食事だけどいつもよりちょっぴりいいモノを」と思う中年女性なのではないかという気がした。
写真のように昔ながらの雰囲気を醸し出すマルちゃん正麺が、中年主婦の心をつかんで市場を沸かせているようだ。