日経新聞11月16日
こんにちは。
今日は、一般的にいいことのように思えることを、別の視点から切ってみたいと思います。
【概要】
・武田薬品工業は病気で長期療養中の子供を支援する市民活動に5年間で総額5000万円を助成する。
・小児がん患者などの社会参加を手助けするボランティア団体やNPOに運営費を出す。
【解釈】
薬を作っている武田薬品らしいCSR(企業の社会的責任、活動)である。ほとんどの人は、「良いね」「偉いね」と思うだろう。しかし、これは本当にアリなのだろうか?
こういうボランティア活動自体はもちろんいいことである。でも、自分が経営者だったら、こういう決断はできないかもしれない。
それは、単に5000万円ものお金を営業以外の関係ない部分に支出するということではない。それもあるが一番気になるのは「それで株主は黙ってみているか?」といういことだ。
ほとんどすべての株主にとって、一番重要なのは、「その会社が多くの利益を出して成長すること」であり、「株主に多くの配当が配られること」である。株主からしたら、「5000万円もそんなことに使うなら、俺たちに配当回してくれよ!」という気持ちだろう。
もちろん武田薬品はそんなことは分かっていると思う。
にもかかわらずこういう決断ができたのはなぜか?
武田薬品は、日経が調べた「優良企業ランキング」において、上位5位の常連であるほどの優良企業である。
おそらく財務的にも安定していて、余裕があるため、こういった社会貢献活動にもバンバン投資できるんだろう。