IT進歩を警察の捜査に活かす為には

日経ビジネス2012年12月10日号 直言極言「警察はITリテラシー向上を」より


今日のTOPIC

『警察はITリテラシー向上を』

他人のパソコンをウイルスに感染させ、遠隔操作で犯罪予告やメールや掲示板に書き込む事件が起きている。これに対して警察は、容疑者特定を誤り、誤認逮捕するという事態も複数起きている。

これに対してRuby開発者のまつもとゆきひろ氏は、以下のように分析する。

『これらの事件で気にかかる点は、容疑をかけられた人が、脅迫メールを送っていないのに送ったと自白している点だ。おそらく警察は、容疑者がITに詳しいことから「この人が犯人に違いない」という思い込みを持って尋問していたのではないかと思う。ただ、逮捕前に押収したPCの通信ログを調べれば思い込みを持って尋問することはなかったはず。
技術の進歩で医学分野等では捜査能力が向上しているようだが、IT分野では進歩に追いついていないように見える。』

この上で、まつもとゆきひろ氏は次の二つの提言をしている。
①警察の捜査担当者自身のITリテラシーを向上させること。
プログラミングまでできなくてもいいが、少なくとも「ウイルスによって遠隔操作で他人になり済ましてメールや掲示板書き込みができる」程度の知識はつけておくべき。ある事件では「2秒で270字の犯行声明を打ちこんだ」ことが争点になっていたらしいが、これを警察が不自然と思えなかった事は残念。

②民間を含めた専門機関との連携。
日々進歩するIT分野を警察だけでカバーするのは難しいため、信頼できる技術を持つ外部機関と連携できるようにすべき。現在も連携はされているようだが、まだ不十分。また、IT業界にとっても、警察に協力する体制を築くことが求められる。

What?
提言②の外部機関との連携について、より外部機関からの協力を得られるようにするにはどうすればよいか?
1つの策として、警察が企業と連携して成果を出せたら、企業名を出してその企業が貢献したことを公表することがある。企業にとっては自社宣伝になる。また捜査に協力することで「国のお墨付きです」ということができ、企業の信頼獲得にもつなげられる。もちろんその成果が後に誤認ということになれば、企業に対するイメージも下がるため、リスクはあるが。
警察と企業との関係の持ち方がポイントになりそうだ。

rank2.gif

回答をどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です