人類が、一人の人間が進化していく上での代償は何か?

日経新聞2011年12月25日

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老化に伴って脳の認知機能が失われるアルツハイマー病は人間だけが発症する。チンパンジーなどの他の霊長類も長寿ではあるが、発症するのは人間だけである。人間と他の霊長類の脳にはどんな違いがあるのか?

高齢のサルやチンパンジーは記憶力などの低下は確認されておりアルツハイマー病の前段階に達していると考えられているが、アルツハイマー病のようにの神経細胞の30~70%が死滅するような現象は起きていない。なぜチンパンジなどはアルツハイマー病の発症まで進展しないのか?

それは人間のように進化しなかったことで、病気のリスクが抑えられる可能性が考えられる。
人間は、血中の尿酸値が高まると痛風になるが、サルやチンパンジーは痛風にならない。尿酸を効率よく分解する酵素を持っているからだ。人間は進化する中でこの酵素をなくし、尿酸を残す道を選んだ。尿酸は活性酸素と反応して毒性を押さえることで、寿命を延ばすことができる。
進化の過程で長寿を求めた変わりに、病気と向き合うリスクも抱えることになったと言える。
 
人間以外の霊長類との比較から人間らしさを知るヒントが得られそうだ。

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人間は、意識的か無意識的かによらず、「こうなりたい」と思って望む状態を手にするために、何らかのリスクも同時に抱えることになるようだ。
これは人類の進化の歴史の話だけでなく、一人の人間の一生にも当てはまるように思えてくる。
人生の中で何かを手に入れたければ、それだけの代償を払う覚悟をして、リスクをとっていく必要がある。

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